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2012/06/17

メタボリック対策をめぐって

メタボリック症候群とか特定健診とかというフレーズを初めて聞いたのは、医業を再開した直後の5年前のことだった。

メタボリック対策で医療費を減らすらしい。予防にかかる経費は医療費の減少で採算が合うとのことらしい。したがって、メタボリック検診の実施主体は経済的メリットを受ける保険者が行うらしい。より積極的に保険者が取り組むように、経済的成果が出るのを待たず特定健診受診率や保健指導率で財政的賞罰を与えるらしい。

 メタボリック症候群の診断基準の合理性


  • なぜ、BMIというデータの蓄積もあり割と正確だと言われている肥満率ではなく、腹囲という余りにも一般的であるもののそれほどデータの蓄積が無いのを使ったか?
  • なぜ、男性の方の基準を厳しくしたのか?
身長が180cmの人と身長が160cmの人の腹囲の基準が同じというのが、今までの医学的な常識を超越しており、ある意味でいえば政策的判断が入ったような感じがした。

かなり気になっていたので、昔の厚生省時代の同僚に、雑談の折りに『メタボリック大丈夫なんですかね?』と振ったら、『アドバルーンはともかく落ちどころを考えているのかな。後任者が困らなければいいが』

私は、メタボリックの診断基準の合理性に疑問を抱いただけなのだが、彼は、診断基準はその道の専門家が合意したもので口を出すものではないが、不確実性が残っている施策の軌道修正ができるよう、振り上げた拳の落とし所を作っているのか、不安だったようだ。

保健・医療・福祉の総合的推進


乳がん、子宮頸がん、大腸がんの受診率が先進国の中で大きく離されての最低になっている原因のひとつに、かかりつけ医によるものか集団検診によるものかがあると思われる。

結核検診は保健所や結核予防会などの検診車による集団検診方式が主流だった。その後、保健所の担っていた役割はなくなり、民による集団検診が主流となった。

旧厚生省および旧労働省は疾病予防のための検診を雇用主や市町村長に義務付けた。検診機関のない都道府県は検診機関を公益法人として設立するようになり、結果的に、結核予防会や対がん協会などに参加する検診機関や厚生連などの独立系がそれを受注するようになった。

韓国を含めた欧米系のがん検診は、かかりつけ医による対策型検診だとするならば、保健と医療の総合的推進をしなければならないのは我が国だけなのかもしれない。

特定健診も、血圧測定、体重チェック、血中脂肪、血糖などだから、かかりつけ医が定期的に行い、指導や治療も行うのが理想的だが、既に我が国特有の検診機関が受注する市場が成立している以上、地域医療を担っている医師会と検診機関との密接な連携が必要になってきたのだろう。

これから重くなってくるのは、介護などの福祉の領域だが、総合的推進が必要と言われない、一体的に取り組む体制になるのだろうか?

実践的メタボリック対策


  • アルコールは体内エネルギーには一切利用されないので焼酎などの蒸留酒を飲む
  • 炭水化物はエネルギー源なので体内脂肪を燃やすためにゼロ摂取を目指す
  • タンパク質や必須栄養素はすべて野菜からとる
  • 効果を発揮させるために運動もする

歩き出したのは2011年の8月2日からだった。 ズボンがきつくなったよりもワイシャツのボタンがはち切れそうになったことが一番の理由だが、何をするにも億劫になったこと、人間どこまで急激に痩せられるか挑戦したくなったことも影響している。


スタート時12日後増減
基礎代謝量1,684Kcal1,641Kcal▲43Kcal
体重86.7Kg82.6Kg▲4.1Kg
脂肪割合30.5%28.5%▲2.0%
脂肪量26.4Kg23.5Kg▲2.9Kg


12日間で4Kgの体重減少のうち、脂肪が2.9Kgと4分の3相当が減った。絶食したと仮定したのと同じ量になる。ただ、脂肪だけが燃えた訳ではないのは、事実なのか、あるいはこのタニタの脂肪計の限界なのかもしれない。

1万歩では648Kcalしかならず脂肪93グラムしか消費しない


朝夕の散歩で100.8EX、13万6424歩の消費カロリーは8,844Kcalになる。1日1万1千歩以上歩いていることになるが、そのカロリー消費量は1日737Kcalと1食分にしかすぎない。

1万歩以上散歩するには2時間近く必死に歩くことになり、これを時間ロスと考えると人生における1日2時間は健康維持が趣味でない限り継続するのは困難であろう。散歩に楽しさを感じるようになるか、エルゴメーターで効率的に運動するか、趣味としてのスポーツを再開するか、通勤などをうまく代用するか、考えなければならない。

絶食して1日安静にしていると1,684Kcalで脂肪240グラム消費する


生きているだけで使う基礎代謝は1日1,684Kcalだから、絶食すれば240gの脂肪を燃焼させることになり、320g程度の体重減少になる。しかし、必須栄養素などを外部から摂取しないので、病気になりやすくなったり、体調が悪くなったりするので、野菜のみを食べることにした。


  • 使ったエネルギーは、29,052Kcal=1684Kcal×12日+8844Kcal
  • 燃やした脂肪量のエネルギーは、20,300Kcal=2900g×7Kcal
  • 食べた1日当たりエネルギーは、729Kcal=(29,052Kcalー20,300Kcal)÷12日


脂肪を1グラム落とすには7Kcal必要、あれこれ計算すると1日当たりの摂取カロリーは729Kcalとなる。体脂肪計なんて信用していなかったがまあまあの納得できる数字になったのに驚いた。

そんなことを考えながら、朝6時からいつもどおりに松峯大橋経由の満天橋の6kmコースを歩いた。

それから10ヶ月、再掲載に当たり脂肪計を使ってみた



2011年8月2日2011年8月14日2012年6月17日
基礎代謝量1,684Kcal1,641Kcal
1,679Kcal
体重86.7Kg82.6Kg
85.7Kg
脂肪割合30.5%28.5%
29.8%
脂肪量26.4Kg23.5Kg
25.5Kg

あれから10ヶ月、日常の運動は一切せず、月に数度の30分程度の散歩、トレッキング1回。食事は炭水化物有りの食事が1日に1回程度で、揚げ物は月に数回程度。ものの見事にリバウンドしてしまった。

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