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2014/01/22

じょうぶなからだ原稿

西之表学校保健会の原稿は次のものにした。


インドのヒンドゥー教社会では人生を四つの段階に分ける考え方があります。 
学生期,家住期,林棲期,遊行期です。 
学生期は学ぶ時期で,その後のいしずえとなる一番重要な時期です。 
学生期では学び,身体を作り,身のこなしを鍛錬し,良き生活習慣を獲得し,優れた価値観と行動規範を習得します。その後の子育て,仕事,社会貢献を担えるよう,趣味など人生を豊かにできるよう,身一つで人生を極められるよう,学びます。 
学生期のまっただ中の皆さんは,書を読み先人たちの知恵に学び,スポーツを通じて体力作りを行い,集団生活に慣れ,規則正しい生活スタイルに努めることは,その後の生き方に大きく影響を与えます。 
ここで,保健所長として皆さんに強く伝えたいことがあります。 
20歳を過ぎても喫煙を絶対にしないこと,万病に効果があると言われる運動習慣をつけること,ストレス発散にもつながる生涯を通じた趣味を見つけることです。 
喫煙は百害あって一利もありません。喫煙習慣はニコチン依存症という病気なのです。無駄なお金を浪費します。周りの人に迷惑をかけます。肺がん以外にも様々な病気を引き起こします。綺麗な肺を汚すことはありません。 
運動の効用はいろいろな研究で見つけられています。体力をつけるという直接的な効果から,糖尿病や脂質代謝にもいい影響を与えます。さらには,脳内ホルモンにも影響し精神的安定にも大きく寄与します。軽いジョギングでも効果がありますし,ラジオ体操でもいいです。生涯を通じた運動習慣の形成を是非してください。 
趣味を持つことは生涯を通じて人生を楽しめることになります。勉強や仕事も大事ですが,趣味を並行して持つことが,より勉強や仕事に没頭できることになるのです。さらに子育てや仕事が終わったあとの林棲期を充実するのがこの趣味なのです。

2014/01/05

タイ旅行のちょっとしたノウハウ

タイに初めての単独旅行をしたが、あれやこれやの生きたノウハウをあれこれ

  • タイ行きが決まったら携帯のSIMのフリー化をすること
  • 携帯番号は090や080や070の番号ではなく050プラスなどのインターネット番号に切り替えておくこと。準備から周知徹底まで数年はかかるが、それが出来れば、海外旅行でも激安で日本と交信できる。(次のステップは携帯会社のSIMの解約で高い携帯維持料から開放される)
  • 直行便でなく経由便を選ぶなら韓国経由は遠回りになるので避けるのがいい
  • 経由便の待ち時間は1時間前後が限度。それ以上では時間を潰せるノーパソ持ち込みなどが無いと悲惨
  • バンコク着後の両替は1万円と最低限にすること。街なかは空港よりも確実にレートはいい。
  • 空港着後に直ぐに行うのはAISのツーリストSIMの購入。299バーツで7日間だが実質的に2日の延長が可能なので、かなり安い。延長するのは7日を過ぎてから行うこと、期間有効中に延長しても無駄弾になるだけ。
  • バンコク初日のホテルはAGORAで確保するのが賢明。AGORA経由でなく直接フロントに頼むと高くなる。
  • 空港からホテルまではエアポートリンクとスカイトレインあるいは地下鉄だけで安くいける。タクシーもいいが電車の利用はお薦めできる。
  • スカイトレインはラビットカードは便利なので是非購入すること
  • タイにチップ習慣は無いので勘違いしないこと。厚かましい店や従業員からは欧米では信じられないようなチップの強要(私は400バーツのマッサージに対して500バーツのチップを強要され笑ってしまった)がなされる。毅然として断るのが筋。お金持ちは貧しい人にお金を恵むのは当然という思想があるので、遠慮のないチップの無心があるようだ。
  • 気持ちのいい『コップクンカーン』と両手を合わせた御礼を受けたいなら、どんなサービスにも20バーツで十分
  • バンコクはどこにも屋台があるので、値段だけを考えるならば中心よりも端が約半値。道端の屋台よりもターミナル21のフードコートの方が美味しくて安い。
  • 物乞いにはびた一文与える必要はない。じっくりと観察すれば物乞いビジネスの労働者であることが分かってくる。
  • 日本人が多い、タニヤやパッポンはぼられるので避けるのが賢明。旅をエンジョイするなら日本人が少ないところを選ぶべき
  • 長期宿泊ならホテルよりもアパートが安くなる。
  • 歩行者専用信号は大きな交差点以外には皆無。歩行者専用信号が有っても安心してはいけない。左折する車が平気で突っ込んでくる。横断歩道では360度に目を配り早足で通るのがバンコク流
  • 赤信号でも渡れるなら突っ込んで渡れば、車も3メートルほど前で徐行してくれる。この呼吸が分かれば、バンコクの車道横断も怖くない。
  • 犬が首輪なく平気で歩いているのに多分驚くはずだ。ただ日本とは違い犬と人が共存しているのがタイなので、恐怖は抱く必要がない。犬は吠えることなくスタスタと歩いているだけ
たった10日間のバンコク滞在だったが、カルチャーショックはそれなりに受けた。楽しいこと、それはそれは筆舌に尽くしがたい。

犬が自由に歩き回るバンコクの人と犬の共存社会

タイも一時は路上の野犬を4万頭を毎年処分していた。

それを聞いた国王が、不妊手術と狂犬病ワクチンの接種をしICチップを埋め込んで街に戻すことにした。街の住民が噛み癖があるなど街に戻すことに合意しないときには死ぬまで生涯保管し続けるとのこと。

タイはバンコクのヤワラートに深夜に到着したときは確かに驚いた。首輪もない犬が通りをスタスタ歩き回っている。最初は恐怖感があったが、野良犬は人にじゃれつくでもなく吠えるでもなく、単に歩いているだけ。単に寝ているだけ。

一週間も見ていると犬への恐怖感は無くなった。

先進国といえる日本では完璧なコントロールが前提になっているが、日本の犬は飼い主以外には吠えることが多い。放し飼いになったら同類の犬と喧嘩するのも必須。

そのギスギスしたコントロール下の日本の犬よりもタイのようにマイペースで人と犬が共存している社会もありと思えてきた。

治安のいいタイランド

30年弱前にサンフランシスコ地震の事後視察に出張したことがあった。その当時の西海岸の治安は最悪だった。夜のひとり歩きは全くできなかったし、そんなことをして襲撃されたとしても自己責任の領域だった。

帰国後、治安のいい日本に感謝したものだった。

30年後のバンコクは治安は日本よりもいいかもしれない。日本の繁華街よりも夜のひとり歩きは全然怖くない。繁華街を歩いてもスリなどの被害に遭遇するリスクも一切感じない。もちろん、タイ人以外の外国人による犯罪集団はいるかもしれないが、基本的にタイ人による犯罪率は極めて低いだろう。

カードを落としたら驚いた婦人が30秒前後で肩を叩き渡してくれる。携帯を忘れても届けてくれる。日本よりも安心かもしれない。

日本人ストリートの代表であるタニヤストリートで一番悪い奴は日本人の客引きだ。怪しい客引きはタニヤと隣のパッポンにしかいない。バンコクで治安が悪いのは日本人街のタニヤとパッポンだろう。日本人として情けない。

交通もあうんの呼吸に伴う信頼関係を保ちながらの相互配慮の走行はお互いの信頼感からくるようで信号を無視して効率よく歩行者や自動車が行き交う。

もちろん、最初は戸惑った。赤信号でも渡るのは渡れるからであり、赤信号で渡っているのを知ったとしてもクラクションで咎めずゆっくりと見守る。

日本では相手の違法を咎めるのが正義のようだが、タイでは交通法規は事故が無きよう最低限のルールのみを決めているような気がする。

タイの物価

タイの物価は安い。

屋台料理あるいはフードコートでは一食は25バーツから贅沢しても限度は50バート。今の円安モードでも80円から160円だから、日本の1/3が妥当なところだろう。

フレッシュ搾りたてジュースが一杯20バーツだから70円。飲食は安い。

マッサージも激安だ。日本では10分1000円が相場になっている。タイでは1時間150バーツ(日本円500円)だから1/10のプライス。チップは一時間100バーツ程度を渡す気持ちになる。あまりにも安いからかだろうか、あるいは一生懸命にもんでくれる熱意への謝礼だらうかはわからないが、そのチップを入れても日本の半額以下だ。

日本のストリップ劇場的なGOGOバーの入場料はゼロ、ドリンクビール100バーツだから333円、これも計算すれば日本の軽く1/10よりも低い。

アパートも激安だ。好立地でもワンルーム1万バーツ前後。生活の最低ラインは日本の半額程度と考えればいいかもしれない。

地下鉄も最低18バーツだから60円、公共交通機関のプライスは日本の1/3だろう。

シティホテルでのステーキは300バーツだからこれも日本円で1000円になる。日本なら5000円近くになるだろう。

今後の為替やタイでのインフレを勘案をしても、日本よりも悪くなっても数割程度は保持し続けるような気がする。

これからの高齢者は、本拠地は日本のままにして年に半分くらいは東南アジアロングステイがひとつの選択肢になるはずだ

2014/01/04

バンコクに棲む日本の高齢者

年末年始にバンコクに行った理由は、バンコクには日本の高齢者がいるという話を種子島の旅の師匠がやっているワールドカフェから聞いたからだ。老後を考える惑いがあり、夏には北海道をサイクリングした延長でその話に興味を持った。

彼のサジェッション通り、バンコクはヤワラートに向かったが、台北ホテルはその廃墟なみの凄さに尻込みし、ファランポーン駅近くのドアがありクーラーのきいたロビーがあり、部屋は温水シャワーが出る2000円ほどの格安スリークロンホテルに泊まった。

確かに1000円の台北ホテルには白髪白髭の爺さんが一人いたが、日本人の高齢者はその程度、ヤワラートを歩いている日本人はバックパッカー崩れの30歳前後の生意気な小僧ばかり。

タイ出発の最終日にスクンビット通りのバーンチャーク駅からアソーク駅まで歩いている途中のトンロー駅近くでワンデイマンション700バーツの垂れ幕、マンスリーもOKとのこと、興味を持ち、事務所で詳細を聞くと、月7000バーツとのこと、部屋を見るとクーラーもあり、温水シャワーで、セキュリティも入り口がカードロックで万全、月額3万円にもならない。

なかなかいいじゃないかと帰ろうとしたら10メートルも歩かない路地に屋台ストリート、そこでカオマンガイを食べ、シンハービールを飲んで、あのマンションの入り口で6人ほどの日本人がすき焼きをやっていたので、更に情報を得ようと戻った。

すき焼きは購入価格の割り勘、飲み物は自腹とのことでウェルカム。話を聞くと、一人は70歳のタイ歴40年、一人は70歳のプロゴルファー、一人はタイで200人を雇用している会社の社長、一人はNECの現地採用などなど。このマンションは二棟あり、部屋数は500を超えるが、その半数以上が日本人らしい。

これから調べたいが、このマンションなら月額3万弱、食費で3万弱なら、基礎年金だけでバンコク暮らしがエンジョイできる。日本で暮らすよりもリッチに楽しく生活できるような気がした。

結論から言えば、日本でうだうだ老後を過ごすよりも、タイなどの東南アジアを選択肢に入れるのもありかなと思いつつ、昨日、バンコクから戻った。

バンコクと物乞い

年末年始をバンコクでのんびりと過ごした


心地よい旅だったが、バンコクは一番の繁華街のスクンビット通りアソーク駅を中心としたストリートにいる物乞いの多さに唖然とした。

私の記憶の中では50年前に片足で立ってアコーディオンをひいていた傷痍軍人以来の出来事だった。アジアでは経済ではトップランナーであるタイの一番の繁華街で10メートルごとに並ぶ物乞い集団

数ヶ月の赤ん坊を抱いた女の物乞い、小学生ほどの女の子の物乞い、片足が無い男の物乞いが、ストリートに適度に並んでいる。

欧米系の婦人がモノレールから降りて、突然遭遇した物乞いにびっくりして両手を広げて持っていないとボディランゲージしていた。先進国に並び始めているタイでのこの出来事には誰もが驚くはずだ。

不思議なことがある。ひとつは適度な距離感で物乞いがストリートに並んでいること、ひとつは皆おなじカップを持っていること、ひとつはそれなりの清潔感を持っていること、ひとつは子供はすべて女の子で男の子は一人もいないこと。

日本人街のタニヤ通りでうろついている日本人のホームレスは髪の毛が固まり服は真っ黒で見るからに臭う感じだったが、スクンビットの物乞いの髪の毛はサラサラで服も真っ黒になっていない。

興味もあり数日ほど注視していたが、夜の8時頃、片足が膝から無い物乞いがそれまで歩道の端で座っていたのに突然、歩道の真ん中で腹ばいになり口にカップを加えて右手を伸ばして物乞いをしたのに唖然を通り越し、不謹慎かもしれないがそのわざとらしさにふと笑ってしまった。

考えればわかることだ。なぜ均等に配置されているのか?なぜ同じカップを持っているのか?それだけで組織的なプロ物乞い事業ではないかと想像できる。

ネットで調べてみると、カンボジアから女、赤ん坊、障害者を集め、トラックでストリートに配置している中華系のタイ人がいるとのこと、赤ん坊もレンタルらしく親子のDNA鑑定をNGO法人が調べているらしい、一時間毎にカップの小銭を回収している人がいるらしい、あれこれといろいろと情報が出てくる。

ひどいのになると抱いている赤ん坊が人形だったという話まで出てくる。

数日ほど注目していたが、10分に一人ほど小銭を恵んでいる。そのほとんどがタイの婦人だった。欧米系は滅多にいないし、日本人や中華系も恵んでいない。

施せば來世にかえってくるというタイの思想、富んでいるものは貧しているものに施すのは当然という考え方が、この物乞いビジネスを可能にしているのだろう。

この物乞いビジネスが成立するタイという国は、日本のおもてなし文化以上の魅力ある国に見えてくる。忘れていた記憶が蘇ってくる。

タイの魅力にふと思いに耽けた。