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2013/01/24

本土医療の機能限定版が離島医療ではない

昨日の2010年心肺蘇生での熊毛地区での決定はある意味画期的だった。従来は心マッサージ+呼吸管理が、エビデンスから呼吸管理してもしなくても差無しだから、今後の心肺蘇生は心マッサージだけで行うべしが、学会的にも世界的にも主流だったが、MC地域協議会の麻酔科部長の説明に驚愕した。

私は臨床医ではないし症例も持っていないが、意図的な酸素供給無しでもいいという方針転換にエビデンス主流医学に従わざるを得ないのか思っていたが、今日、種子島の麻酔科部長が、少なくとも、屋久島のデータからは、それを否定するものしか得られなかったとのこと。

従って、熊毛地域は・・・

屋久島、種子島では従来法である呼吸管理を併用した方が、復帰率が高いとの報告により、熊毛地区では呼吸管理も行うことが承認された。離島では呼吸管理を併用した心肺蘇生の方が植物状態になりにくいの言葉に離島で頑張っている麻酔科部長の人の命を大事にする気持ちが感じられて嬉しかった。

学会の方向や世界の方向と違った提案に驚いた。離島特有の事情があるのかと尋ねたら、主要病院までのアクセスが1時間が通常の離島事情から考えれば、酸素供給無しの延命は植物状態になる確率は高くなるのではないか、基本的にスキルが上の救急隊員による心肺蘇生が多いのかもしれない、との部長の言葉に、両手を上げて納得した。

計画的な手術ではなく、緊急的な手術に対応にするには離島では血液そのものが日赤には頼れない宿命がある。消化管出血、大動脈破裂、事故などの症例に血液なんて事前に用意できないので、厚労省が生血輸血のリスクを提示しているが、離島は離島で人の命を助けるために、生血輸血体制に踏み込まざるを得ない。

国の役割、都道府県の役割、二次医療圏の役割、それぞれが大事だが、一番重視しなければならないのは二次医療圏が、机上の論理ではなく患者を助けるという現実的な課題がある。

少し、詳しくない分野だが、離島における救命救急体制を現場の医師とともに語ったので、必ず、修正加筆する前提で今日、書くことにした。

(未了)

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