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2013/02/08

処方箋が書けない我が国の財政惨状

今日、同僚と島内出張の車中で会話した、

『親父も92歳、延命治療をしないで欲しいと手紙を書いていた。私も延命治療をすると年金負担と医療費で国に迷惑をかけるので、国を助けるためにも親父の気持ち通りにしたい』、
『同感。私の母親も平均寿命を超えて認知症で施設に入所中。病院での延命治療は望まないこと、施設内で看取りをしたい旨は伝えている』

国民の誰もが、国の財政が悪いことを知っている、終末医療が高額になっていることを知っている、延命治療の選択はそれぞれの価値観に委ねられていることを知っている。

命は地球よりも重いと超法規的に赤軍を北朝鮮に逃亡させ、与えられた命を一秒たりとも大事にしていた日本で、その価値観が崩壊していることを同僚の言葉から感じた。

そこまで追い込まれた日本の財政。人口は最終的には半減するにしても、それまでの間の団塊の世代が死ぬまでの年金負担、医療費負担、介護費用などなどの工面など処方箋が果たしてあるのだろうか、30年以上前のベストセラー、カタストロフィーしかなく、処方箋など無いと達観するしかなかった。

カタストロフィーはやはり想像を絶していた


日経から去年の11月に出版された 円安恐慌という新書を読みきった。新人の書籍は構成力が弱く伝えたいことが盛り沢山なため、後半は冗長になっていたが、なかなかのカタストロフィーの想定だった。

明治維新も黒船、民主主義も敗戦と、日本は自らの内力では革命ができず、外力に寄らないと変革できない国民性ということから、筆者はIMF介入による構造改革が起きると予想している。

小泉改革が道は正しくとも、年越し派遣村に象徴される格差拡大や社会保障費の枠設定には批判が多く、結果として政権交代を国民が選択した。国民性からは自らの意思で構造改革ができないので、やはり外力としてIMFには筆者に同感する。

その書籍のフィクションとしてのIMFの指導内容が想定を超えていた。

医療費の増大を止めるために自己負担額を倍額以上にする、つまり3割負担を6割以上にする。

公務員事務職を半減、給料は3割源、賞与停止、退職金ゼロ、かなり厳しいがそれでも公務員が全員退職することはないことも認めざるを得ない。

将来の年金支給のために保留している資産を放出することさえ想定している。決められた年金を支給しようにも財源がない状態になる。

カタストロフィーが起きないよう努力をしたい


やはり、カタストロフィーは正義が消える、道理が無くなる、弱者がへたる。できたら避けたい。その処方箋は・・・

  • 住み慣れた地域での友人や家族に見守られながらの在宅死
  • 在宅介護を支援する様々な制度やシステムの構築
  • 延命治療を断ることができる日頃からの宗教的精神的親戚縁者との合意形成

しかし、時の流れは速い、意識革命の前にカタストロフィーが来るような気がしてならない。

いや、カタストロフィーは正義かもしれない、高度成長期を満喫した団塊の世代には厳しい老後、就職氷河期世代で苦しんだ世代には構造改革から得られる果実を老後に贈る、あたかも戦中戦後で苦しんだ今の高齢者に豊かな老後を与えているのと同じように・・・

外力による変革しかできない日本


本来は内力による議会、議員による変革をすべきなのに、いつも外力を使っての官僚が日本を変えてきた。今回もIMFによる構造改革が起きるとしたら、日本の政治家の存在意義がわからなくなる。一番のネックは議員を選択した市町村民、都道府県民、国民にあるのだが、日本って本当に難しい国かもしれない。

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