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2013/02/19

環境保全に逆行するかのような現状・・・

地域は屋久島。事例は4つだが、解決する方法に悩む

一例目


一組限定の小さな民宿が食堂を有効利用としようと暇な昼にランチを提供していたが、合併浄化槽は規定により50人槽、マンホールが3つもあるバカでかく、費用もかかったが、世界遺産の島の環境保全に協力したいと、合併浄化槽を設置した。

話はその後。言われるままに50人槽の浄化槽を作ったが、ランチタイムに客はゼロもしくは数組、泊り客も一組限定の宿だから2から5,6人。誰が考えても、この50人槽はでかすぎる、と、お役所が決めたルールに疑問を抱いていた。

二例目


屋久島で本格手打蕎麦の店がある。4年前に訪問し、1年を経過した頃に再訪し、旨いことを実感。数ヶ月後に訪問し、これは旨いと確信。そして毎週、メニューに挑戦し、驚きのカレー蕎麦、鴨肉の旨みがつゆに出ている鴨蕎麦などなど。これは本物

10回程度通って初めて、トイレに入ったら、汲み取り式のトイレ。料理の質の高さと吊り合わないことに疑問を抱き、店長と会話した。

こちらだって、環境保全のためもあり合併浄化槽を設置したかったが、役所が決めた人槽の大きさだと300万円もかかる。だから断念した。個人の家には補助金が出るが飲食店には出ない。だけど、環境保全を考えると、調理の水をそのまま河川に流すのは本当にいいのだろうか?環境保全のためなら飲食店にこそ補助すべきと思うが・・・

公金である税金を営利目的の事業に補助するのは国民の合意が得られない・・・としか応えられなかった。

三例目


屋久島で一日に数回転する超人気の飲食店がある。ランチタイムは二回転とフル回転しても何組も断らずを得ない。安く、美味しく、都会風の洒落たメニューもあり、人気店の特徴そのものの客は女性のみ。

私も開店ひと月前後に訪問した。ランチタイムで満室だったが、一月の北風が吹き抜けるテラス席なら空いてるとの言葉。冗談無く寒いが我慢していると、次から次えと客が訪れる。諦めて帰る人もいるが、私がいるテラス席でウエイトする人もおり、何時のまにかテラス席も一杯になった。

やっと出てきた料理。確かにそれなりに美味しい。店も洒落た造りなのは店長自身が大工でこだわって作ったとのこと。最後にトイレに入ると・・・ウォシュレットになっているが汲み取り式便所

四例目


屋久島で料理上手な店として地元客に定着している管理栄養士がやっている洒落た店がある。私も屋久島に来た4年前から数ヶ月に一度は訪れ、職場の飲み会も何度かここでやっている。母親が車椅子生活だが、この店はバリアフリーなので、連れてきたこともある。

飲食店のトイレが気になっていた頃なので、食事のあとにトイレに入った。今風のセンサーがあり近づくと蓋が自動的に上がる最先端のウォシュレットトイレだったが、よく見ると汲み取りトイレだった。

建築確認という事前規制、保守点検と法定検査の事後規制


環境保全は環境省、人槽基準は国土交通省、飲食店営業許可と法定検査は厚労省ということで、問題を棚上げにしたくない。

個人の新築の家では補助金もありほとんどが合併浄化槽となっているが、最近できた繁盛店3店が、合併浄化槽ではなく汲み取りと雑排水の垂れ流しだったことに愕然とした。

縦割りの中央官庁を調整する機能が地方組織に無く、結果として世界遺産の島なのに環境汚染に決してよくはない現状がある。

環境保全には事後規制は馴染まないと、環境汚染しないよう安全率を勘案する事前規制となり、結果として個人が事業展開する飲食店では費用の面で合併浄化槽を断念している。

人槽基準を満たさないと建築許可を与えない現在の事前規制から、人槽基準は目安とし自己責任による保守点検と法定検査の厳格運用による事後規制も検討すべきなのかもしれない。

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