ページ

2014/01/04

バンコクと物乞い

年末年始をバンコクでのんびりと過ごした


心地よい旅だったが、バンコクは一番の繁華街のスクンビット通りアソーク駅を中心としたストリートにいる物乞いの多さに唖然とした。

私の記憶の中では50年前に片足で立ってアコーディオンをひいていた傷痍軍人以来の出来事だった。アジアでは経済ではトップランナーであるタイの一番の繁華街で10メートルごとに並ぶ物乞い集団

数ヶ月の赤ん坊を抱いた女の物乞い、小学生ほどの女の子の物乞い、片足が無い男の物乞いが、ストリートに適度に並んでいる。

欧米系の婦人がモノレールから降りて、突然遭遇した物乞いにびっくりして両手を広げて持っていないとボディランゲージしていた。先進国に並び始めているタイでのこの出来事には誰もが驚くはずだ。

不思議なことがある。ひとつは適度な距離感で物乞いがストリートに並んでいること、ひとつは皆おなじカップを持っていること、ひとつはそれなりの清潔感を持っていること、ひとつは子供はすべて女の子で男の子は一人もいないこと。

日本人街のタニヤ通りでうろついている日本人のホームレスは髪の毛が固まり服は真っ黒で見るからに臭う感じだったが、スクンビットの物乞いの髪の毛はサラサラで服も真っ黒になっていない。

興味もあり数日ほど注視していたが、夜の8時頃、片足が膝から無い物乞いがそれまで歩道の端で座っていたのに突然、歩道の真ん中で腹ばいになり口にカップを加えて右手を伸ばして物乞いをしたのに唖然を通り越し、不謹慎かもしれないがそのわざとらしさにふと笑ってしまった。

考えればわかることだ。なぜ均等に配置されているのか?なぜ同じカップを持っているのか?それだけで組織的なプロ物乞い事業ではないかと想像できる。

ネットで調べてみると、カンボジアから女、赤ん坊、障害者を集め、トラックでストリートに配置している中華系のタイ人がいるとのこと、赤ん坊もレンタルらしく親子のDNA鑑定をNGO法人が調べているらしい、一時間毎にカップの小銭を回収している人がいるらしい、あれこれといろいろと情報が出てくる。

ひどいのになると抱いている赤ん坊が人形だったという話まで出てくる。

数日ほど注目していたが、10分に一人ほど小銭を恵んでいる。そのほとんどがタイの婦人だった。欧米系は滅多にいないし、日本人や中華系も恵んでいない。

施せば來世にかえってくるというタイの思想、富んでいるものは貧しているものに施すのは当然という考え方が、この物乞いビジネスを可能にしているのだろう。

この物乞いビジネスが成立するタイという国は、日本のおもてなし文化以上の魅力ある国に見えてくる。忘れていた記憶が蘇ってくる。

タイの魅力にふと思いに耽けた。

0 件のコメント:

コメントを投稿