ページ

2011/06/12

梅雨の合間の釣日和

朝4時半


梅雨の合間の久しぶりの雨上りの日曜日の朝4時半からそわそわして安房のトッピー乗り場そばにある今春できたばかりの新防波堤でフカセ釣りをした。抑制された欲望ほど始末に負えないものなのか、梅雨時の晴れはに無性に釣りたくなる。

ものの数投で強烈な引込がある。タモを使うほどの大物だがニザダイ。あいにく出刃を忘れたので、活きたまま持ち帰り、活き締め三枚おろし。ハラミをすき、中骨を抜き、数センチ程度のブツ切りをして、昆布を入れた鍋を沸騰させ、30秒程度入れて食べる厚切しゃぶしゃぶ風チり鍋。実に旨い。

朝食後


本格的に釣ろうと同じ場所に行ったが、向かい風が強すぎるので、飛行場近くのふれあいパーク奥の防波堤で竿を出すことにした。

安房では海からの真向かいの風が強かったが小瀬田では無風状態なのは丸い島だからこそのなせる技

梅雨の合間の薄日

そよ風が涼しく心地良い釣日和をしていると、竿1本のみの軽装のミズイカ釣り人が挨拶をしつつ投げ始め、しばらくすると消えていた。私は小一時間たってもアタリさえないので場所を変えようとしたき、

小太りの七〇歳前後のおじさんが寄ってきた


長崎から来たのだが、本当は天草で船釣りの予定が潰れてしまったので車を走らせたら鹿児島に入ってしまった。鹿児島なら屋久島だろうと生まれて初めてのこの島に来た
宮之浦の岩川釣具店で船釣りを頼んだら一人でも六万円。六人でも六万円と言われてしまった。長崎から一人で来たのだから六人なんて集められないよ
天草の民宿は船を持っているので五百円の餌代だけで遊ばしてくれる。釣れた魚は民宿で捌いてくれる・・・

波止場で釣っているとほぼ必ず旅人が寄ってくる。こっちの話やあっちの話やら楽しい。釣れない時にはそれこそ釣りそっちのけで話に興じる。いつぞやはフランス人と意気投合し自宅で釣果をフレンチ風の料理をしてもらったことがあった。そのときキュウリの糠味噌を出したら旨い旨いとペロリと食べたのを見てフランス人は食に貪欲な人種だと思い知った。

旅人のワクワクしているハイテンションなノリにあたかも自分自身も居ながらにして共有できるのは、屋久島生活の楽しさのひとつだ。

周遊バスは良かった。立派な杉も見れたし滝も沢山見れる。ガイドもついているし、お昼の弁当までついてて4,500円は安いと手放しで褒めちぎる。
ツアーの中身を見ると12時間フルに遊ばせてもらって昼飯もついて五千円もいかない。確かに安い。

しかしながら屋久島の観光客は平成19年に入込客40万人を超えたのをピークに毎年減少し、平成23年には確実に20万人台に戻るのを覚悟せざるを得ない状況は厳しい。

バブリーな屋久島ブームが去り、今から30年以上前の1977年に移住した山尾三省が残した言葉『人類がコントロールできない原子力発電が無かった少し前の時代に戻りたい』に否が応でも日本国民は節電という題目を唱えながら追っている時代を迎えようとしている。

屋久島生活
在りし都会生活の熱帯夜、照り返しの強い日中、平気で30℃を超える真夏日、涼風というものが皆無のよどんだ夏を思い出すと、屋久島の夏は朝夕の涼しい山風、日陰さえあれば暑さを楽しめる。梅雨時の除湿機があればクーラーは無くても困らない。
屋久島生活
季節外れのイチゴやトマトは無いが、100円無人市には春には筍、夏にはニガウリが売られている。オオトビ、ハルトビ、コトビと飛魚も季節を教えてくれる。長命草、ノブキ、クレソンなど道端には美味しい野草があり、山芋も筍も採れるし、大潮の日は磯物採り、波止場でも群れに当たればアジがクーラー一杯に釣れる。
屋久島生活
大量に採ったり釣ってしまったら近所におすそ分け。漁師に知人ができれば大漁時にはおすそ分けが来る。日本銀行券によらない物々交換の世界が共存している。
そういえば、電気さえも島内で自給している。基本は水力発電だが、屋久島電工では補助用に火力発電も行っており、島内の電気供給には不安がない。屋久島も観光客減少という荒波には飲まれるが、その荒波さえ乗り越えれば、これからの日本のあるべき姿を具現化しているかのように思えてならない。

0 件のコメント:

コメントを投稿