ページ

2011/06/19

離島でのゴミの資源化に挑戦する

2年前の愛知県は岡崎市でのこと。


いつものゴミ収集場所にポツンと取り残されたゴミ袋に貼られていた紙に書き殴られていた文字を読むが何が起きたのだろうとゴミ袋の中を見てもさっぱり分からない。袋はプラスチック製容器包装用の専用袋。中身はプラスチック製容器ばかりで特に問題は無い。取り残された理由があるとすれば、離乳食用のレトルトバックが若干汚れていることぐらいだ。

母親は育児でてんてこ舞い。むずがる幼子を育てるのに精一杯の中、岡崎市のゴミの分別は、

  1. 可燃ゴミ
  2. 不燃ゴミ
  3. 蛍光管・乾電池
  4. 水銀体温計・鏡
  5. 発火性危険ゴミ
  6. 粗大ゴミ
  7. 紙製容器包装
  8. ペットボトル
  9. プラスチック製容器包装
  10. 空き缶
  11. 一升瓶・ビール瓶
  12. その他の瓶
  13. 新聞・チラシ
  14. 雑誌・カタログ・本・教科書・テスト用紙・封筒(茶封筒以外)・はがき・紙袋・包装紙・パンフレット
  15. ダンボール・ティッシュの箱・お菓子の箱・厚紙・茶封筒
  16. ジュースや牛乳の入った紙パック
  17. 古着
の17種類に分別し、指定の場所の指定した日に決められた方法で出さなければならない。この恐怖の17分類は効果絶大で、分別していくと資源ゴミばかりが増え、可燃ゴミは生ゴミのみとなり、不燃ゴミは小袋で月に一度程度になってしまう。

確かに資源ゴミは資源化するために洗浄という過程が必要であり、それを回収者でなく排出者が行うルールを岡崎市が決め、洗浄できない場合には可燃ゴミとして出す決まりになっているが、プラスチックを燃やすとダイオキシンなどの有毒なガスが出るので分別するという『誤解』が一般市民には定着しているので、その母親は可燃ゴミと一緒に出す勇気が無かったのだろう。

この恐怖の岡崎市から屋久島に引っ越ししてひとつの興味はゴミ分別だったが、容器包装の分別は発泡スチロールのみ。新たに加わったのが生ゴミ分別と油。察するに島内で活用できるものしか分別しないようで、発泡スチロールはインゴットで売却、食用油は燃料にし、生ゴミからは肥料を作るようだ。離島でできるゴミの有効活用と感心していた。ある日・・・
トレーを可燃ゴミに入れている人がいます。分別して出してください
こんな貼り紙が掲示板に張っていた。資源ゴミに分別してゴミの減量化に協力するのは町民の自発的意志であり、洗浄する余裕がないときには可燃ゴミに出しても誉められることではないが咎められることではない。しかし、効果は絶大。しばらくすると、
カップラーメンの容器は燃えるゴミに出してください
カップラーメンの容器は紙製とプラスチック製があり、発泡スチロールの容器は分別して出さないと怒られると思ったのだろう。この平和な屋久島にゴミ分別問題でコミュニティが破壊される危険性は、区のチラシでも、
○☓○☓のゴミ集積所では生ゴミの中にビニール袋が入っている
と名指しで注意されていたので気になっていた。ゴミ分別を老人から障害者まで全員が正しく理解するのは極めて困難である。目が不自由な人はマークが見えない。生まれつき理解力が低い方もいる。屋久島だけは強者が大手を振るような風潮にはなってほしくない。

屋久島町のゴミ分別は、

  1. 燃えるごみ
  2. 生ごみ
  3. ペットボトル
  4. 空き缶、スプレー、燃料ボンベ等
  5. ダンボール、新聞紙、雑誌、チラシ等
  6. ビン類
  7. 小型粗大ごみ
  8. 廃食用油
  9. 廃蛍光管
  10. 廃乾電池
  11. 紙パック
  12. 発泡スチロール・各種トレイ
と12分類だが、容器包装が分かれていないので分別作業はかなり楽になっている。

燃えるゴミは炭化させて有価物にするという最新式とのこと、生ゴミは肥料化し、廃食用油は精製して自動車燃料の一部に利用し、発泡スチロールはインゴット化し有価物にするらしい。私も生ゴミが肥料になるということなので、鶏の骨やシジミやアサリの貝殻を燃えるごみに入れて協力している。

実際の運用面では理論通りになってはいないとの指摘もあるが、炭化したり肥料にしたり燃料にするなど島内で再利用しようと先駆的な挑戦をしているのは、輸送コストがかかる離島という弱点に甘んじていないからだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿