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2012/11/25

年収20万円で生活する陶芸ビンボーさん

某所で生活保護を目指すIターンの消息の話になった折り、屋久島のビンボーさんの話題に流れた。

ここ屋久島での貧乏生活は月3万円が最低ラインだから、家賃が無ければ2万円、携帯を持たなければ月1万円で生活できる。家があり携帯無ければ、年収20万円で生活するのは全然驚くに値しないなぁ、だけど陶芸に興味があり、紹介していただくことになった。

事前把握のために、インターネットで、屋久島、陶芸、ビンボーでぐぐると、団塊の世代の定年移住のブログにヒットした。テレ朝の銭形金太郎で超有名な人とのこと。年収20万円で生活するというのは、陶芸の売上が20万円から来ているらしい。

さて、当日


事前情報では焼酎好きとのことなので、ドラモリで黒白波を手土産に訪問した。突然の訪問なのにニコニコ顔での歓待モード。部屋を掃除してから座布団を3枚セットしておもてなしの始まり。
突然の訪問は致し方がない。そもそも電話が無いし携帯電話が無いのだから突然の訪問か郵便による連絡しかない。
まずは、囲炉裏でお湯を沸かし、自分の畑から採取したお茶を自作のすり鉢で粉にしての粉茶を、自作の陶器でもてなし。

お茶を出すまでの会話も実にいい。つい最近3日間連続でテレビ取材があった、ある取材班が寝るのは枯葉ですか?など失礼な質問があったので断った、もうテレビの取材は嫌だなど笑いながらしゃべっている。
『歳はいくつでしたっけ?』
『年金生活が始まったばかり。8000円も貰えるんだよ』
『おっと私と同じ年令だから60歳か。厚生年金の上乗せ部分ですね』
『27歳まで会社に勤めていたからね』
8000円の年金とは、ふた月なのか、年間なのか、ひと月なのか、突っ込むのも野暮だが、どちらにせよ、彼にとってはありがたい話。ただ、65歳からの基礎年金は受給資格が無いと思われるが、これも彼にとっては大したことではない。

27歳まで会社勤務をしており、30歳で屋久島に移住し、30年経過し、いま60歳。それが短い会話で伝える術に舌を巻いた。

醤油を作っている、畑に大麦を植えてビールを作りたい、豆腐は作ったが、挑戦中は納豆だが作った納豆を食べたら腹が痛くなり軟便になったなどなど、そのリズム感は立川談志を彷彿させる。

話に引きこまれていると、フライパンに油を引いて囲炉裏でポップコーンを作り出した。これはお客をもてなす心意気だろう。いやはや。

屋久島の山奥に引きこまなければ、また違った人生があったと思われた。

たった一本の焼酎なのに、私が畑に興味を抱いたからか、今が旬の椎茸が満開になっている朽木も含めて彼の畑を全て見せていただいた。1000坪の畑を丁寧に開梱ししっかりと植えている。

なぜ菊池さんに引き寄せられるのか


自分の幸せのため、家族の幸せのため、みんなの幸せのため、身を粉にして働くものだと教えこまされきた団塊の世代にとっては、決して近寄ってはいけない生き方なのに、意外に親和性がある。

もちろん、菊池さんの明るいキャラクターもあるが、陶芸をしているという生産的な活動も受け入れやすくしているのだろう。

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